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「いつか」は来ない

 

世界二大オークション・ハウスのひとつ

クリスティーズ

日本法人の社長 山口桂 著

「美意識の値段」を読み終えました

 

面白かった…

 

"人を見る眼はモノを見る眼、モノを見る眼は人を見る眼"

 

"モノは行くべき所に行く"

 

"「モノ」と云う物は、人を介さねば出会えないし、人を介する以上、其処には必ずドラマが有る。"

 

多数の人間が凄く良いと思う作品には

"人類共通の「感動の琴線」みたいな物が存在するのでは無いか?

 

どの言葉も迫力があって

私の胸の深い部分に突き刺さりました

 

中でも面白かったのが

著者が初めて月賦で高価な美術品を買う場面の描写

老舗の中国陶磁器の店主が著者に対して

身銭を切って買ったり大事にしてきたモノを手放す経験を

あなたもしなさいと嗜めるシーン

 

実経験無しにそれをお願いする仕事は出来ないでしょ?

と…

 

気に入ったモノを見付け「少し考えます」と伝えると

一日結論を延ばすごとに一万円ずつ高くする

と言われたそうです

 

"美術品は出会ったその時買わないと二度と買えない。欲しいと思ったら決断しなさい。"

 

これはすごい

 

店主がお客を精神的に成長させる

こんな売り方がある事に衝撃を受けました

 

アートって日本にはどこか

「無くても生活に困らない」感覚が

根付いている様に思います

 

 

整理収納レッスンに置き換えて考えてみました

 

自分ではどうにも解決できない問題を

プロに頼むかどうか検討する時

 

・高いから自分でやろうかな…

・でも何十年もそれで上手く行かなかったしな…

・散らかってても死にはしないしな…

・やっぱりプロにお願いしてみようかな?

 

ようやく

「口コミ」や「直感」で誰に頼むか決めて

依頼した人を全面的に信頼し

自分自身に対しても「きっと出来る」と信じて

健気にがんばる人は

良い結果・自信・達成感を手に入れます

 

耳が痛いこともちゃんと聴いて

「素直に」「信じる」事が早く出来た人ほど

早く結果を出して行くことが出来ます

 

「変わる」時には成長痛の様な

痛みや苦しみを伴います

著者が所持金で買えない物を月賦という方法で

未来に向かって重たい負担を背負いながら買った様に…

 

私達は変わる事を恐れ

先延ばしにし

「今」じゃなくてもいい

もう少し先でもいいとついつい思いがちです

 

それは

明日も同じ様に生きていて

明後日も同じ様に身体が健康に動いて

来年もまだ「若い」と無意識に信じ込んでいるからです

 

でも

本当にそうでしょうか?

 

「いつか」ってそんなにも

保証されているものなのでしょうか?

 

全ては

「縁」や「タイミング」だと私は思っていて

仮に手に入らなかったとしても「仕方ない」と

諦められるモノはそれまでの価値のモノ

 

だけど

あの時買っておけば…

あの時お願いしておけば今頃…と

後で後悔する事があるのなら

「今」決断する必要があると思いました

 

この本の中では

モノ=人

というベースで書かれているのも面白かったです

 

モノを大切にするとは?

人を大切にするとは?

 

考えさせられる一冊でした